その恋、取扱い注意!
翌日が休みだったことをすっかり忘れていた私は、いつも通りに目を覚ました。
ベッドの上に起き上がってスマホの目覚ましを止めた時、休みだということに気づいた。

眠気に逆らえず、再び枕を抱えてゴロリと横になる。

湊はとっくに行ったよね。
送らせてしまって悪かったな。
あのまま泊まっていれば……。

ぽわんと昨夜のことを思い出して、サーッと眠気が覚める。

やだ、朝からなに思い出しちゃってるの。

休日はお昼ごろまで寝ている私なのに、湊のことを考えたらやけに目がさえ、仕方なく起きて階下へ降りた。

「あら、今日は休みでしょ? 何か用事でもあるの?」

「ないけど、暑苦しくて目がさめちゃったの」

今日は蒸し暑いから理由になるだろう。

「そうね。もう夏だからねぇ」

「昨日、湊から指輪もらったの」

「まあ! どんな指輪? 見せて」

母は洗い物の手を止めて、エプロンで手を拭きながら、キッチンから出てきた。
興味津々な顔つきの母に、左手を差し出す。

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