その恋、取扱い注意!
『美人堂』を出たのは10時を回ったところだった。
新宿駅に向かいながらまだ賑やかな人通りの道を歩き、ホストを無視しながら歩く。
「安西さん、どうしたの? 考え事?」
近寄ってきたホストを無言でかわした後、久我さんが聞いてくる。
「え……まあ……」
言葉を濁すと、久我さんが笑みを浮かべた。
「ね? ちょっとコーヒーでも飲んでかない? 本当はラーメンと行きたいところだけどこんな時間に食べたら太っちゃうしね」
ちょうど見えてきたコーヒーショップへ入った。
まあまあ混んでいる店内。
窓側にあるカウンター席に空いている2席を見つけた。
「私が買ってくるから。席とって待ってて。なにがいい?」
「ありがとう。アイスのブラックのスモールサイズで」
「オッケー」
一面ガラス張りカウンター席に座り、せわしなく行き交う通行人をぼんやり見ていた。
そのうち私はひとりの男性に目をとめた。
湊?
ビジネスバッグを持ったスーツ姿の湊は、足早に駅の方に向かっていく。
今から追いかけても間に合わないだろう。
腰を浮かせた私はため息を吐いて、座りなおした。
新宿駅に向かいながらまだ賑やかな人通りの道を歩き、ホストを無視しながら歩く。
「安西さん、どうしたの? 考え事?」
近寄ってきたホストを無言でかわした後、久我さんが聞いてくる。
「え……まあ……」
言葉を濁すと、久我さんが笑みを浮かべた。
「ね? ちょっとコーヒーでも飲んでかない? 本当はラーメンと行きたいところだけどこんな時間に食べたら太っちゃうしね」
ちょうど見えてきたコーヒーショップへ入った。
まあまあ混んでいる店内。
窓側にあるカウンター席に空いている2席を見つけた。
「私が買ってくるから。席とって待ってて。なにがいい?」
「ありがとう。アイスのブラックのスモールサイズで」
「オッケー」
一面ガラス張りカウンター席に座り、せわしなく行き交う通行人をぼんやり見ていた。
そのうち私はひとりの男性に目をとめた。
湊?
ビジネスバッグを持ったスーツ姿の湊は、足早に駅の方に向かっていく。
今から追いかけても間に合わないだろう。
腰を浮かせた私はため息を吐いて、座りなおした。