その恋、取扱い注意!
『今何時……?』

目を閉じながら話す湊が目に浮かぶ。

「6時……」

『今日はミミ仕事なんだ』

「なんでわかるの?」

『休日は朝寝坊のお前が、こんな早い時間に起きるはずないだろう?』

はっきり目が覚めたような声。
からかう声は楽しそうに聞こえる。

『電話できなくて悪かったな。めちゃくちゃ忙しかったんだ』

「ううん……あのさ、明日休みなんだけど、湊は空いている?」

『もちろん。空いてなくてもミミのために予定を空けるよ』

「む、無理しなくていいよ?」

『バカだな。なに遠慮してんの? もちろんって言っただろ。今晩食事に誘おうかと思ってたし』

「ほんとに?」

『ああ。仕事終わったら電話して』

「うん」

今日湊に会えると思うと、嫌な夢なんてきれいさっぱり気にならなくなっていた。

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