その恋、取扱い注意!
「応援するわよ~」

「そんな……」

私には湊がいる。
湊がいるのに、気になるのは紅緒さんで……。

******

心の中がはっきりせず、悶々とした気持ちで眠ったその夜、私は変な夢を見た。

湊と別れて紅緒さんと付き合う夢。
でもそのことが両親にばれて勘当だーと、言われたところで目が覚めた。

「変な夢……それにしても、湊に別れたいって言ったらあっさり「いいよ」って言われたんだよね」

紅緒さんと付き会えて嬉しいというより、湊に簡単に別れていいよと言われたことにショックが大きいと気づいた。

夢なんだけど……。

目覚めの悪い朝を迎え、無性に湊に会いたくなる。

枕元のスマホを手にして、湊の番号を探した。

呼び出し音が数回なって、眠そうな湊の声が聞こえてきた。

『もしもし……?』

「湊、ごめんね。起こしちゃった?」

土曜日の朝6時。仕事が休みの湊はまだ寝ていたよう。

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