その恋、取扱い注意!
お店は広くきれいで、これで美味しかったら文句なしと言ったところ。

「なににする?」

席に座って写真付きのメニューを差し出される。

「もちろん! お刺身定食にする」

湊は自分も同じものに決めて、女将さんにオーダーする。

女将さんにオーダーしている湊は、清潔感のある白いカッターシャツと、ジーンズとシンプルないでたち。
それにターコイズとシルバーのネックレス。

やっぱりカッコいいわ。
会社の男性社員に湊みたいなイケメンはいないから、こうして連れ出してもらうのも目の保養になっていいかも。

「ミミ、今日はわざと大人っぽい服装にしたのか?」

前言撤回……口を開くとからかう湊に舌を突きだした。

「湊だって、社会人に全然見えないんだからっ」

「口数減らないな。男と付き合って、可愛げのある女になれよ」

「はいはい。そのうちにね。湊も私の事ばかり言ってないで、別の女の子連れてくればいいのに」

「ミミといるとラクなんだよ」

私といると、ラク? それって、完全に女として見ていないって事じゃない。
でも、湊の一言一言に傷ついていたらキリがない。

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