その恋、取扱い注意!
謝ってもらっても、ジェイソンの印象は戻らない。

「ミミ、ごめんな」

「湊……ううん。いいの。大丈夫だよ」

しばらくして、アンがあくびをしたのをきっかけにお開きになった。

『このまま眠れそう。だから時差のある国の出張って、好きじゃないわ』

アンは手をひらっとさせて、エレベーターに行ってしまった。

湊も眠いよね。

『私はまだ飲み足りないわ』

そう言うのはエリー。彼女は数日前から日本支社で研修を受けているので、すっかり時差ボケはないよう。

『ね、バーへ行かない?』

ジェイソンとアルゴを誘っている。ふたりも飲み足りないようで、私たちに別れを言うと、隣のバーへ3人で入っていった。

「さてと、帰ろう。気を遣わせて悪かったな」

ふんわりと湊の手が髪に伸びる。

「ううん。私の方こそ、お邪魔しちゃって申し訳なかったよ」

湊と面と向かうのは久しぶりで、恥ずかしい。
視線を足元に移すと、あごをそっと持ち上げられ、唇が重なった。

人が来るかもしれないホテルのエレベーターホール。
私は慌てて湊から離れた。そんな私の姿を見て、湊は微笑む。

「ごめん。我慢できなかった」

それから湊の自宅に着くまで、数えきれないくらいキスをした。
エレベーターの中や、乗り込んだ車の中、信号が赤になれば引き寄せられキスをする。

蜂蜜のように甘い雰囲気が、私たちをとりまいていた。


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