その恋、取扱い注意!
「え?」

湊は今の言葉すら聞いていなかったみたいで聞き返す。

「なにか気がかりなことでもあるのか聞いたの。様子が変だよ?」

「ごめん。ちょっと考え事してた」

「私じゃ相談相手にならないかな?」

「そんなことないよ。仕事のことだから。もう少し考えがまとまったら、相談するよ」

湊は柔らかい笑みを浮かべる。

「うん。なんでも言ってね?」

それからの湊はいつものように軽い冗談を交えながら、話しだした。

******

「送ってくれてありがと」

自宅前に車が停まると、シートベルトを外す。

「ああ」

「実家に泊まればいいのに」

「明日も忙しいからな」

湊の手が私の頬にかかり、唇が重なる。
物足りなさを残して、キスが終わる。


玄関まで送ってくれた湊は、車に戻り帰って行った。

昔から湊は考え事があると、なにも目に入らなくなっちゃうのはわかっていたけれど……。
どうしちゃったんだろう。
仕事で悩んでいるのなら、私じゃどうしようもないか……。

結局のところ、結婚式も話し合えていない。

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