その恋、取扱い注意!
ふたりに話すことが出来て、少し気持ちが軽くなった気がする。
今晩、湊と会うけれど、この気持ちを引きずらないで会えそう。


そう気持ちを切り替えた私だったけれど、湊の方がいつもと様子が違っていた。

車で迎えに来てくれた湊は笑みを浮かべて助手席のドアを開けてくれる。
それはいつものことなんだけど……。

「なに食べようか?」

運転席に乗り込んだ湊は聞いてくる。

「いつものファミレスにする?」

いつものとは、自宅へ帰る道筋にあるファミレスのこと。

「そうだな。OK」

湊はエンジンをかけると、車の波を見計らいアクセルを踏んだ。

走り出して話すのは私ばかりで、湊は「うん」とか「そうなんだ」と気のない返事ばかり。

どうしたんだろう……。

そう聞きたいのをファミレスに入るまで我慢した。


ファミレスに入って、湊はカルボナーラと生ハムのサラダをオーダーし、私も同じものにした。

「湊、なにか気がかりなことでもあるの?」

ウエイトレスがいなくなると、聞いてみた。

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