戸田くんと岡田さん



翌日。


どうやら昨日は金曜日だったようで。




朝日で目が覚めたけど、


「…んー…もうちょっと……」





二度寝。




もう少しで夢の世界に入るところで、急に部屋の外が騒がしくなった。





近づいてくる足音。



私はがばっと起き上がり、布団を目の下までかぶり、ヒヨコの目覚まし時計を前に突き出した。




ー…"ガチャ"




「……え、8時35分12秒」


「っ戸田くん?」




戸田くん細かい。


まさか秒数まで読んでくださるとは。





「なにそれ。ヒヨコ突き出してなんのつもり」


「…あのですね、不審者かと」


「それで」


「身構えてた、というか…」


「ヒヨコなのに?」




戸田くんは笑って、部屋の椅子に腰掛けた。





「それにしても戸田くん。朝からどうしたんですか?」


「あぁ、そのことで話しに来た」




戸田くんは少し躊躇うと、小さな声で言った。





「……来週から一ヶ月、宿泊でアメリカ行くことになった」




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