my existence sense-神が人を愛す時-
まさかこんな子供が。
.........。
ジーザスもバロンも思ってもみないだろう。
「あ!そうだ。
他の皆とは今夜引き合わせるよ。
細やかだけれど食事も用意させるつもりだから是非来て欲しいな」
「食事か。
........甘いものも有るか?」
「あぁ、勿論!
ケーキでもクッキーでも用意させるよ?」
「!
判った、じゃあまた夜に顔を出す。
それまでもう少しその辺をふらついていよう」
「そうかい?
あ、良かったら部屋の用意ももう出来ているから行ってみるといいよ。
これからその部屋が君の部屋になる予定だからね」
「あぁ、判った」
クルリッ。
短くそう返してメリルは踵を翻した。
そして半分開いたままになっていた扉を再び潜り、まだ気を失ったまま床に伏せている衛兵達の間を何事も無かったように擦り抜けて廊下の先へとまた一人で消えていった。
ッ。
「..........あ、れ?俺達は.....」
メリルが去ってから幾らか経って意識を取り戻した衛兵達がむっくりと起き上がる。
一体何が起きたのか。
何で自分達は倒れているのか。
それすら分からない彼等は状況が飲み込めずにキョトンとする。
「ふふふ、やぁ気が付いたみたいだね」
「っ!
キ、キルファ様っ?!」
キョトンとする兵達。
そんな彼等の背後から聞こえる声に全員の背筋がピンッと伸びる。
「私達は一体...............はっ!
そ、そ、そうだっ!お、お、お、女の子!」
彼等の仕える主を前に今のこの状況を説明すべく記憶を辿る。
迸る衝撃。
一瞬で真っ暗になる目の前。真っ白になる頭の中。
...........そして思い出すあの女の子の存在。
「お、女の子!迷子の女の子がさっきまで此処に!
こちらの部屋に行きたがるのを止めたのですが――――」
「あぁ、彼女のことか」
「へ?か、彼女?
まさかキルファ様のお知り合いの子でしたか!」
「うぅん、知り合いの子という訳じゃないんだけれど。
でもまぁ彼女は良いんだ、城の中を見たいと言っていたから放って置いてあげて?
下手に声を掛けたりするとまたこうなるからさ?」
「.......?
こうなる、とはどういうことでしょう?」
「あぁ、やられたことにも気が付いていなかったんだっけ。
いいさ、別に恥じることは無いよ?それが普通だと思うから」
「??」
「あぁいや、いいよ。何でもない。
ほら、仕事に戻って?
僕は少し出てくるから」
「え、出てくるって―――キルファ様?!」
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