my existence sense-神が人を愛す時-
全員の視線が彼女へと向いた。
集まる視線に動じることも無く彼女は少し俯き加減だった顔を上げ目線を戻す。
特別な煌めきを留めた金色の瞳は誰の視線に合わせるわけでもなくただ真っ直ぐ虚空を見つめる。
「名はノウェル。傭兵」
まだ微かに幼さも残る声。
だがその声には子供のような感情は無く淡白でいやに落ち着いている。
不機嫌なのだろうか?
それともこれが普通であるのか?
誰もが今日出会ったばかりなのでそれは分からない。
「傭兵、ですか?
貴女のような女性が......珍しいですね」
「そうでもないわ。
生きて︎いくためには男だの女だのそんなこと構っていられないのが今のこの世界の現実。
珍しいことでも無いわ」
「........そういうものですか。
すみません、傭兵というものはどうしても血の気の多い輩という印象があったもので。
ですがそんな傭兵の中からか弱そうな女性である貴女が何故この部隊に」
「不満だと?」
「い、いやそういった訳では」
「不満ならばあんたの主に言うといい。
無理矢理に私を引き込み此処まで引っ張り出してきたのはその男だから」
淡々と言う彼女、ノウェルはそう言い視線をキルファへと向けた。
ッ。
それにつられるように皆の視線もキルファへと移される。
「あはははは、そうなんだ!
彼女とは実は三日前くらいに街で出逢って何だかビビッと来てね、今日の選考試験に参加してみないかって僕が声を掛けたんだ」
「ビビッとって、んな適当な。
まっ、俺も確実に声は掛けるけどな?ノウェルちゃんみたいな子を街で見掛けたら」
「ジーザスさん、貴方の場合は別の邪な意味ででしょう?」
「俺のピュアな恋心を邪なだなんて、バロン様ったら酷いっ」
「また口調がアマレットさんみたいになっていますよ」
「あぁら?
もしかしてジーザス様もその気があるわね?
それならそれで大歓迎よ?うふふ」