my existence sense-神が人を愛す時-






すぐに捻り潰されてしまいそうなほどの小さな国。
だがそれほどに小さくとも成り立つのはやはり人が忘れてしまった神への信仰を守り続け人が得られなかったものを持っているからだ。


今この世界に存在するサハラ以外の神。
五神のうちエルドレを除くジーナ、ネモフィラ、リヴァイアもそれぞれに信仰国を持つがそのどれもが砂塵の都と同様かなり小さな規模の国。
やはりそのどれもがそれぞれの神を信仰しそれぞれが特別な力を得て独自の種を確立し未だに存在し続けている。


神とその信仰者達は人からすれば特別なまるで別の次元の存在であり、手を出すような事は考えもしなかった。

......。
そう、今までは。










ブワッ。



「ッ!
おいっ、空を見ろ!あれは......」



サハラ帰還の噂に沸く民達。

そんな彼等の頭上に突如現れる大きな影。
砂埃を巻き上げる風。
民達は皆一様に空を見上げる。







「あれは......ラグナス様だ」



皆が見上げるその先。
巻き上がる風と大きな影の正体。

それは美しく気高い凛とした竜の姿。
それは人から完全な竜の姿へと姿を変えたサハラの神官ラグナスの姿。

空に浮かぶ砂埃でぼやける太陽と重なるその竜の姿はまるで後光が差しているように神々しい。



ッ。
その姿に民達は次々に跪く。

此処に暮らす者達は皆サハラを信仰する従順なる信者。
そんな彼等にとって絶対的な存在である神サハラの唯一の神官で特別な力を直々に与えられた人とはまた異なる存在のラグナスもまた民達には特別な存在で敬意を示すべき相手だった。







< 94 / 102 >

この作品をシェア

pagetop