tender dragon Ⅱ
「美波の臆病さにもイラつくけど…」
あたしの臆病さ。
自分でも分かってる。
あたしは誰よりも臆病な人間なんだって。
だから蒼空くんに会うのも怖いし、安田さんの家にも戻れない。
「希龍にはもっとイラつく。」
どうして今希龍くんの名前が?
あたしだけにイラついてるわけじゃないみたいで、少しだけ安心した。
「お前ら何やってんの。」
「え?」
ほんとにイラついたように、蒼空くんはあたしの腕を掴んで言った。
「意味分かんねぇことすんなよ。」
「蒼空くん…何言ってんの…?」
蒼空くんの言ってる意味が分からない。
原因があたしと希龍くんにある。
分かったのはそれだけ。
もっと、分かるように言ってよ。
「希龍のこと好きなんだろ?」