ひとつ、屋根の下で
「……沙波ちゃん、どうしよ」
「え……?」
掴まれた手首を振りほどけない。
ううん。
振りほどきたくない。
……それが、私の本心だ。
もう目を背けられないくらい大きくなってしまった気持ちにようやく気付く。
「もう沙波ちゃんと一緒にいられなくなるの、嫌だ」
憂いを帯びた、綺麗な瞳。
心臓に直接届く声。
そんな声でこんなことを言われたら、私が先輩を手放せなくなるのなんか、必然で。
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