ひとつ、屋根の下で
「……っ!いや……っ!!」
ふいに、カメラを持っていない方の手がするりと私の方に伸びてきて、その女のように細い手からは想像もできないくらいの強い力で私の腕を掴んだ。
恐怖から動けなかった私も、さすがに身体を捩ってその手を振り払おうとしたけれど、がっちりと掴まれてしまい、離れない。
「離して……っ!離してよぉ……っ」
気付いたら、泣いていた。
ポロポロ伝ってくる涙が、私の視界を埋めていく。
どうしたらいいの。
触らないで。
気持ち悪い。
怖い。
助けて。
助けて。
……凌……っ!