ひとつ、屋根の下で
千依の方に顔を向ければ、泣きそうなくらい顔をくしゃくしゃにさせた笑顔を浮かべた千依がいた。
「……千依」
……声、大きすぎてきっと筒抜けだったんだ。
「おめでとう!!おめでとう、沙波!!」
がばっと抱きつかれて、だけどそれでもやっぱり信じられなくて。
千依の細くて温かい腕の中、ただただ、呆然としていた。
「ヒロイン……」
ぽつり、呟いてようやく。
「おめでとう」
その言葉が、じんわりと心に沁み込んだ。