穢れた愛


ベルスリーブの白いワンピに
フリンジベスト


切り揃えた
長い髪を内捲きに
セットし


慣れた手付きで
メークを施す


意味なく
繋ぎっぱなしの
携帯電話越しに
明美との会話が弾む


親の口座から
引き落とされる
電話代


支度を終えた夕夏は
親に買って貰った
高校入学祝いの
ブランド時計を嵌め


「幾らくらい持って行けばいい?」


僅かばかり間を開け
返ってきた明美の言葉


『お金は いいよ
 男が出すからさ』


当然のように
笑って応えた


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