穢れた愛
電話口から漏れる
明るく弾んだ声
『夕夏?覚えてる?』
仲良くもない明美に
呼び捨てにされ
夕夏の顔に笑顔が浮かぶ
「覚えてるよ」
意外な程
素直な言葉が
すんなりと出て来る
『今から遊ばない?』
壁時計の針は
午後3時を示し
休日の半日が
くだらなく過ぎた事に
気づく
「いいよ」
携帯を耳にあてながら
立ち上がった夕夏は
クローゼットを開け
雑誌に掲載されていた
似通ったワンピースを
選び始めた