穢れた愛
細い二の腕が
世話しなく動き
数々のアイテムを使っては
無造作に鞄の中へ
投げ落とす化粧品
携帯したドライヤーで
傷んだ髪を乾かし
指先で捻り結わく
煙草を咥え
明美の行動を
眺めていた横瀬は
ストリッパーの
楽屋裏を見ているようで
閉められた
遮光カーテンの隙間から
射し込む光が
妙に清々しく
浅黒い肌の明美が
若干 愛しい少女に
想えてくる
何度も携帯電話を
確認する明美は
夕夏からの電話を待ち侘び
「お腹空いたね」
空腹を訴えた