穢れた愛


走り出す横瀬の車に
動揺もせず
夕夏を見下ろす青柳


若干 苦悩の表情を見せ
言葉もなく
PARCO脇の路地へ
ふらついた脚で
歩き出す


置き去りにされた夕夏は
立ち尽くしたまま
視線で青柳を追い


路地を曲がった青柳の
崩れ堕ちる姿が
夕夏の視界から消えた


瞬間的に駆け出す夕夏


灼熱の太陽
残虐な傷跡
熱射と睡眠不足


駆け寄った夕夏に
告げられた言葉


「吐く」


前屈みに蹲る青柳は
唾液の混ざる嘔吐を
幾度となく
繰り返した


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