穢れた愛
一瞬にして
不機嫌な顔をする横瀬は
舌打ちを鳴らし
ギアを
ドライブに入れ
アクセルを踏み込む
「一緒に楽しもう」
突如 走り出す車に
後部座席へ投げ出された明美は
躊躇する暇もなく
PARCOから
離れてゆく風景に
唖然となり
「何なのよ」
不格好な姿のまま
明美は笑い始めた
「嫌か?」
ミラーに映る
横瀬の視線が
悪意的に笑い
「いいんじゃない
こんな事だろうと
思ってたから
アドレスに入ってた
知らない娘 呼んだのよ」
明美は携帯電話を開き
夕夏の番号を
着信拒否に設定した