穢れた愛
横瀬の命令に
叛いた事のない
青柳
奴隷の如く
繋いだ首枷を
無断で外された
不愉快
沸々と湧き上る
苛立ち
無性に腹立たしく
怒りが満ちてくる
「だから 何なんだ」
不機嫌に電話を切る横瀬は
携帯電話を壁に
投げつけ
煙草を缶ビールの
空き缶へ捻り潰した
手当たり次第
物を掴んでは
床に投げ捨て
硝子テーブルを
蹴り倒し
髪を掻き毟る横瀬
不屈な歯軋りを
噛み絞め
「青柳 青柳
煩せぇんだよ」
頭をベッドへ抑え込み
身の毛の弥立つ
憎悪に
全身が震え立った