4文字のあいしてる【完】

『会いたい』が言えなくて

「・・・はあ」




「ちょっと、いくらなんでも進路指導中のため息はよくないんじゃない」




「ねえ、先生。特別ってどういうことなのかな?」




「なにそれ?まさかの恋愛相談?進路指導中ですけど」



あの日から数日が経った。今日は進路指導。それでも私の頭は圭吾でいっぱい。


あのあとケーキを食べて何事もなく帰った。


きっと圭吾はあのあとサークルの飲み会に行ったんだろうな。そしてあの綺麗なお姉さんと話したんだ。

私には知らない圭吾の世界。

いや、私は知らないことだらけ。まだ私は高校生で彼は大学生。当たり前だけれど私が大学生のことなんてわかるはずない。


私はまだ子どもで圭吾の言った意味がわからない。


だから桃井先生にそんなことを聞いてみたんだ。

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