白というイロ。



「初めて、独りじゃないって思えたの」


「…え?」


「言いたいこと聞いてもらえたのって初めてだったんだ。だから僕、結構スッキリしてるよ?」


「そ、なの?」


「諦めきれたとかじゃないけど、自分が前に進みたくなったの。わかる?」


「…何となく」



そう煮え切らない返事をしたのは、抽象的な物言いに困惑したのと、腫れた瞼だと視界はいつもの半分程度しか見えなかったから。揺れる空気で彼が笑っているような気はしたけど、どんな顔をしているのか鮮明にはわからなかった。



「もう、全然わかってないよ。だから、新しい恋をしようかなって言ってるのに」


「…は?」


「姉さんも結婚するし、僕も良い機会だと思うんだよ」


「…あ、そうですか」



そう言うのが、精一杯。でも展開は早いけど、彼が幸せになるのならその方法が一番良いはず、だよね?まだまだ頭は回らない。彼が言うその先の意図が、全くと言っていいほど読めないのだ。



「ん、だから安部さんのこと好きになりたいんだ」


「…ん?」






「安部さんに、気が狂うくらいの恋をしてみたい」





( そうして想いごと、白に溶けていった休日での出来事 )




白から始まった少年たちは、きっとその先のイロをまだ知らない。






end.





















< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

言えない愛と小さな世界。
泉月/著

総文字数/8,812

恋愛(キケン・ダーク)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
...初めは、きっともっと シンプルだったはずなのに。 「言えない愛なんて、何になる?」 「.......」 ―――ドウシテ...。 逃げることだけが、 守ることだと勘違いして。 偽ることが、 正解なんだと言い聞かせた。 隠された小さなこの世界、 ――――真実なんてもの、知ってるのは私だけでいい。 ××××××××××× 濃い苦味は、 いつしか甘味をおびる nanaki∞ruri ××××××××××× ――意気地無しの言い訳と、 言われればそれまでで。 だけど、独り言としてなら 呟くくらい許されるだろうか。 〝この世界は、伝えれるほどに簡単じゃない〟
言わずもがな。
泉月/著

総文字数/3,990

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『佐原くんといると、楽だよ』 「...ふぅん」 君は、無邪気に随分と残酷な言葉を 俺に投げるから。 それに、頷けるわけがないのに 俺は微かに笑った。 だって、そんなの。 言わずもがな、君が好きだからに 決まってる。 ×××××××××××
オコサマフレンチ
泉月/著

総文字数/3,286

恋愛(その他)14ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
例え、どんな障害があっても私は... 貴方に恋をする。 ―――だから。 子供扱いも、 大人ぶるのも、 今日でおしまいにして? ×××××××××× 胸きゅん年の差 lovestory you∞shizu ××××××××××

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop