無題
気が付くともう朝になっていました。
鳥の鳴き声とともに目をさまし、鏡のまえにたちました。
眠れなくて目の下にうっすらとクマができていました。
今は、5時51分。いつもより30分以上早起きです。
『おはよう』
お母さんもいつもより早起きです。
お母さんは、朝から洗い物をしていました。
洗っているのは、いつもつかわない綺麗なお皿とコップでした。
しかも2人分。
『これどうしたの??こんなはやくにお客さんがくるわけないし…』
『フフっ!お父さんよ。』
満面な笑みでいってきました。
またお父さんかよ。
昨日のことが頭によみがえってきます。
『お父さん、いつもなら仕事おわるの遅くて、会社に泊まっちゃうけど、今日はちゃんと帰ってきてくれたわ。だから今日は、寝ずにずっとお父さんとお話ししてたのよ。ウフフ。』
お母さんは、べらべらお父さんとの自慢話をしてきます。
『音乃とも話したかったってお父さんがいってたわ。でもおこすといけないから、寝顔だけみ……』
『ヴルサイ!!』
どんどん感情がこみあげてきます。
『お父さんの話しばっかじゃん!あんたは、お父さんのことしか考えてねーんだよ!!』
腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。腹立つ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。ウザイ。
『どうしたの?音乃ちゃん。』
『黙れよ!あんたは、私をどうおもってるわけ?!私の心配は、しないの??』
『音乃ちゃんらしくないわよ?』
『私らしくない??どういう意味?それ。あんたが私の状態、気持ちわかってんの?私の状態、気持ちは、私自身が1番わかってんだよ!』
また2階にいきました。学校のしたくです。すばやく制服に着替えました。必要なものだけをカバンに詰め込みました。
革靴にはき替え、玄関のドアを開けっ放しにしてでていきました。
外にまでお母さんの泣き声が聞こえてきました。恥ずかしいのでいったん家に戻り、玄関のドアをしめました。