恋の華が舞う季節
「……あ」

 

 いた。

 
 長い髪を二つにくくり、図書委員の仕事をせかせかとする姿に、思わず見惚れる。
 
 地味だと最初は思ってしまったけれど……君の純粋に笑う姿には、何かがあった。

 
 俺とは違う、何かが。

 
 一瞬で俺を惚れさせた君は、俺と世界が違いすぎていた。

 
 あまりにも……今の俺と、君は。

 名前も知らない君の事を、俺は遠い目でずっと追っていた。

 
 まともに恋愛することも出ない俺にとって、今の自分をどうしていいかわからない。

 はがゆくて、しょうがなくて、馬鹿みたいにこんな図書館へ顔を出していた。


 一歩一歩、図書館へ足を運ぶ。

 君は俺を何も思わず通り過ぎる。


 ……何、期待してるんだろ。

 
 馬鹿だ。

 
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