恋の華が舞う季節
急に心が軽くなる。
「うん。好き! だから――」
「――あのね、結衣ちゃん……」
いきなり後ろから、声を掛けられる。
振り向くと、美穂だった。
美穂は、あの日私に、ラブレターを渡してって、言って来た子だ。
「この前、私……葵君に、ラブレターの返事が、なんだったと思う?」
「え」
「“好きになった子がいる”って言われたんだ。
そのとき、教室で言われて、そして葵君、結衣ちゃん見てたの。その時、分かったんだ」
少し涙を零しながら、私に言った。
「葵君は、結衣ちゃんが好きなんだよ」