恋の華が舞う季節
それきり私は何かから逃れるかのように、ずっと家に引きこもっていた。


お葬式にも、学校にも、私は現実から逃げて、行かなくなった。


行ったのは、卒業式だけだった。


薄っぺらい紙切れに、この6年間を表すことなんかできないのに、こんなもの貰いたくなかった。

私は卒業式の日、壇上に上り、卒業証書を貰った瞬間、ビリビリに引き裂いた。

静寂に包まれた卒業式が一気に騒がしくなり、私は激しく今の様子を見つめ、そしてにらみ、卒業式を終えた。

葵の机に置かれている花束は、あまりにも残酷過ぎた。


きっとこんな感情を持っているのは、私だけ何だと気づかせた。
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