世界に1つだけの幸せを。
弘樹は同じ中学の奴らに混じって話してたけど、俺は入る気にならなかった。


どうせ女の話だから、苦手なんだ。


後ろで扉を開ける音がして、何気なしに振り向くと、

「陽!」
「詩?」


詩も…同じクラスだったのか。


電車のなかで見た女友達と一緒に、ドアの所で立っていたのは詩だった。


「え?なになに?詩、知り合い?」
「きゃー!かっこいいじゃん!」


同時にわーわー叫び出した女を無視して、詩に話しかける。

「同じクラスだったんだな」

「うん、びっくり!なんて、クラス表見て気付いたんだけどね」


えへへって照れたように笑う詩に、キョトン顔を向ける俺。


そっか、俺クラス表見てないんだ。


「あたし朝比奈で、一番前の席だから、後ろ誰なんだろって見たら…陽だったから、安心した」


てことは、俺二番?

嫌な席なのに、前に詩がいると知って、小さくガッツポーズ。


「よろしくな」
「う、うん!よろしくね!」

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