世界に1つだけの幸せを。
秘密
「おはよ」

「あ、陽!おはよう!」



入学式以来、少し早めに駅に着き、こうして詩と会話をするのが日課になっていた。


別に約束をしているとかじゃなくて、たまたま詩がこの時間に駅に居ることを知って、俺も合わせるようになった。



「今日、数学のミニテストだよ。陽予習した?」

「え、まじ?全然知らなかった」

「あははっ!だって陽、寝てたもんね。」

「なんで知ってんだよ…」


詩に寝ていたのを見られたのが恥ずかしくなり、顔を隠して横を向いた。


「だって、後ろ向いたら堂々と寝てるんだもん。起こそうかなって思ったけど、可愛かったからやめた!」


いや、起こせよ。


しかも可愛いって…喜んでいいのか悪いのか。
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