ロールキャベツ系男子に恋してしまった結果。





4月5日。

その日は高校の入学式も終わり、始業式の日だった。


あたし坂枝秋穂は今、始業式で担任が来るまでの空き時間で、特に同じ中学だった子もクラスにはいなくて、


一人で国語の教科書やらをぱらぱら見ていた。


「坂枝?だっけか」


頭上から男子の声が聞こえる。


いきなり呼び捨てとは失礼な奴だと思いながらその声の方へ顔を向ける。


「そうけど、何か?」


特に差し障りのないように答えると、


「ちょっと来てくんねえ?」


なんだなんだ、この失礼野郎は。



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