冷たい彼

俺に聞こえるように麻尋がチャカしてるのはわかる。
でも俺は何も聞こえてないふりをした。


「ゴメンねー遅くなった!」

「何話してたかいいなさい」

「え、えぇー!!」

「沙彩ちゃん俺も聞きたい☆」

麻尋…後で締める。
俺は前にいる女の方に顔を向けていながらも麻尋達の会話に耳を傾けていた。
らしくねぇな…この俺が。

「ただ…別荘に行くから一緒に行かないか?って言われただけだもん…」

「沙彩…あんたモテるわね…」

「モテないよっ。ただ蓮さんが一緒に…麗さんも喜ぶからって…//////」
顔を赤くした沙彩をちらっと見て後悔した、駆け寄って抱きしめたい衝動に駆けられた。


「沙彩…」



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