鬼と天使と少年と、
その間に俺は二人に駆け寄り、また別の呪文を呟き【強制解放】を止めさせた。

おかげで二人を包み込んだ光は消えたんだけど……やっぱ【強制解放】の負担のせいか、二人の顔色が優れない。


これは……。先輩だからって許せないよな?……なあ?


俺は二人に背を向け、大切な友人を襲った4人組に目を向けた。


どうやら俺の出した蔓(つる)に苦戦中らしく、だいぶ魔力を消費してるみたいだ。



「どぇえっ?!なんじゃこりゃあああああッ。誰が出したん?!」


「わ、私じゃないからねっ。こんな魔法知らないんだもん!」


「私だって違うわよ!【羅架】(らか)っ、アンタじゃないの?!」


「はあ?!俺なワケないだろ!いくら俺でもお前らを襲わせたりするものか!」



ずいぶん高飛車で知的そうな男子生徒の名前は【羅架】(らか)というらしい。

知ったこっちゃないけどさ。


だって、二人を傷つけようとしたから。



『やられたらやり返せ。』



それが爺ちゃんに昔から言われてきた
言葉だ。


ねぇ、爺ちゃん。
それって今のことを指すよね?

だったら……



「倍返しでやっても…いいよね?」



先に仕掛けてきたのは
ソッチなんだからさ。

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