鬼と天使と少年と、



爺ちゃんの意味不発言により、あの後しばらく頭を捻った俺。

まあ、睡眠不足にはなってませんが。


だって爺ちゃんの言葉一つだけで眠れないとかンな阿呆な!

俺は睡眠欲求で生きる男!


寝なきゃやってらんねぇぜっ!



………なんて阿呆なことを考えていると、校長先生の話が始まった。


ただいま体育館で全校集会なーうっ。


俺らは【彗星組】だから、一年生の一番端に並んでいる。もち、茄希先輩たちも一緒。


身長順で並んでいるから、雨乱→俺→倭草→先輩etc……となっている。



「それではこれより、新任紹介を行います」



お、どうやら新任紹介が始まったみたいだ。どんな先生がいんのかな…。


なんてワクワクしていると、前に並んでいた雨乱が俺の方を振り返ってコッソリ口を開いた。



「噂ですけど……新しい先生は超絶イケメンだそうです。…これで私たちが目立つ心配はなくなりましたねっ」


「そーそー、兄貴にも見つかる可能性も低くなりそうだし……こんな時期に移動してきたセンセーに感謝だな」



いつの間にか後ろに並んでいた倭草も会話に交じって、俺らの声は若干大きくなり始めていた。


ふつう、ここは『喋るな!』とか言って先生たちが俺らを注意しにくるとこだけど……そんな展開はどうやらないようだ。


なぜなら、



女子「キャアアアアーッ!!!」

男子「カッケェエエエエッ!!」


「「「?!」」」



全校生徒が急に黄色い悲鳴&雄叫びをあげだしたからだ。


どうたら原因は噂の新任教師っぽい。


おかげで俺らの喋り声も先生方に聞こえてなかったみたいだ。よかったよかった。

< 83 / 220 >

この作品をシェア

pagetop