アンバートリップ
モザイク煉瓦とマリッジブルー

軌跡


 規則的に組み込まれたモザイク煉瓦を踏みしめ、徒然とする。


 あれからもう、何年もの時が過ぎている。



 あの忌まわしい事件以降、私は両親と絶縁し、祖母の家で暮らし始めた。

 そこから地元中学に通い、高野ヶ原女子高校を卒業して、専門学校で知り合った男性と交際し、愛を育み、もうすぐ結婚する。


 婚約者の彼は、珀とは全然タイプが違う。

 中肉中背で、髭が濃く、少しクマに似ているけれど、思いやりのあるいい人だ。
 結婚式は未定だけど、そう遠くない未来に挙式するつもりだ。



 そんな幸せいっぱいの私が、何故婚約者を置いて独り、こんな寂しい山道を登っているのだろう?



 これもマリッジブルーの一種かしらと、首を傾げる。







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