小さな主人と二人の従者
幼女
「お待たせ、ミラベル」

 今日はミラベルと買い物をするためにセーラ市の東口で待ち合わせをしていた。空は晴れていて、雨が降る様子ではない。
 ーー裏切られませんように。

「この間から甘いものを食べたかったの」
「だから東口にしたのね。目の前に店があるから」

 目の前にあるスイーツの店は女性に人気の店で、今日も店の周りに女の子達がたくさんいる。

「やっぱりいつも人気だよね」
「待つ必要があるわね」

 二人で買って、できるまでお喋りをしながら待っていた。

「ミラベル、迷っていなかった?」
「迷っていたわ。お昼はとっくに食べたのだけれど、どれも美味しそうだったから」
「今度食べよう。私も気になっていたから」
「いいわね」

 店の前の看板に新メニューが大きく書かれていた。

「最近、デザートの新商品が増えているよね」
「そうね。この店も含めて、あちこちの洋菓子店も美味しそうなものがあったわ」

 季節によって新しい菓子との出会いはとても楽しくて、見るだけでも満足。
< 160 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop