小さな主人と二人の従者
 それに対して、ギャレットは驚いて、ケネスが突っ込んだ。

「モナだって、ジュリアと年は変わらないだろう?」
「ケネス、モナは二十三歳だよ?つまり、この中で一番年上なの」
「本当なのか?」
「見えないね。てっきりもっと年下だと思っていた」

 モナも童顔に見られがちで、大人として見られることは少ないが、ジュリアと違って本人は全く気にしていない様子。むしろ、若く見られることを良しとしている。
 魔法具店に到着して入ると、ジュリアが想像していたように魔法薬がたくさん置いてある店だった。商品の品揃えが良く、安いから利用する者が多い。会計の前にある小さなテーブルの上に小さな羊のぬいぐるみが置いてあり、不眠症や怖い夢を見たときに枕元に置いて眠ると優しい夢を見られる上に朝までぐっすり。

「ジュリア、気になるかな?」
「可愛いなと思って」
「子どもや女性に人気の商品だよ」
「ジュリアちゃん、不眠で悩んでいるなら、俺を呼べばいいから」
「呼んでどうするの?」
「わかっているくせにー」
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