小さな主人と二人の従者
「ウィルお兄ちゃん、この時計、とても可愛いね!」
「実はね、この時計を選んだのはエリーなんだよ」
「そうなの!?今日、エリーは?」
「学校の友人達と食事へ行っているから、家には来ないよ」
「そっか、エリーにもお礼を言いたかったのに・・・・・・」

 残念そうにジュリアは言った。
 この頃から二人は恋人同士だったのだろうかと記憶を思い出しているジュリアは考えていた。まだ記憶を全部思い出した訳ではない。

「ジュリア、これから頑張るんだよ、それから学校生活を楽しんで」
「ウィルお兄ちゃん、もっと強くなるから、また勝負してね!」

 記憶を思い出すことができたのはここまでだった。家から屋敷に変わって、ジュリアはケネスに支えられていた。正面で頭を押さえて苦しんでいるウィルがいた。手にはさっきジュリアが落とした腕時計を握りしめている。

「ウィルお兄ちゃん!」
「ウィル!いつまで操られている気だ!目を覚ませ!」

 何度も言い続けていると、ウィルは廊下に響き渡るくらいの叫び声を上げて、その場に倒れてしまった。ジュリアが彼の名を呼びながら揺すると、ふらつきながら起き上がって双眸を開けると、瞳の色がターコイズブルーからダークブラウンになっていて、殺気がなくなっていた。
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