桃色☆クローバー
有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない……





「連発しすぎ」


えっ!?


あ、そっか。
そうそう先輩と一緒だったんだ。
怒りのあまり忘れてたよ。
あはは…


「お前大丈夫?」


「え?あー、うん。まぁ、なんとか…」


初めて人に殺意を覚えたけどね…


「で、なんで泣いてたわけ?」

「なんでって…別に…」

「別に?」

答えを濁すと痛い視線。

「ちょっとね。いじめられたわけじゃないからね!」

「ふ〜ん。ま、言わないなら別に良いけど」


「…」


何ですか!その意味あり気な笑みは…


ニヤッと笑う聖。


アタシを凝視するその瞳にまた捉われてしまった。


なんとなく嫌な予感がして後退る。


背中にソファの肘掛が当たって、もぅ逃げ場が無くなった。


少しずつジリジリ近づく聖。


両手は掴まれてしまった。


あ、

逃げなきゃと思うけど身体が思うように動かない。

聖から目を逸らせない。


「…」


アタシの両手首を左手で掴んだまま右手がアタシの首に伸びてくる。


こわい…


蛇に睨まれた蛙状態。


「五回」


え、、、五回?


なに、が五回?


アタシの疑問をよそに聖はまたニヤっと笑ってどんどん近づいてくる。


手がそっとアタシの頭を押さえると


優しくアタシを押し倒した―――






「言うこと聞かないお前が悪いよ」


……


え、え、え?

なに言ってるの?

意味わかんないよ


「ちゃんと呼べるようになるまでお仕置きな」


あ、さっきお仕置きって言われたんだった…


お仕置きってなにされるの?



アタシの疑問はすぐに解けた。



唇に暖かい感触。


キス…されてる…


ゆっくりと動く頭で考える。


そっと離れる唇にホッとしたのも束の間。


「目閉じろよ」


言葉と一緒にまた唇が重なる。


「ン……」


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