ツラの皮

瞬間で跳ねあがったテンションは、見事にガタ落ち。




『…あ゛~。接待じゃあなぁ。仕方ねぇ。』


「ゴメン……ね?」


『仕事じゃしゃーねぇだろ。まぁ精々相手のお偉いさん?怒らすようなヘマすんなよ?オマエ、顔にも口にも出んだから、くれぐれも「わぁ~。オッサンの頭マブシイ」とか、思ってもな。』


「そ、そんな失礼なコトさすがの私だって……!!……気を付けるけど。」




結局否定しきれなくて、高遠に笑われた。







「……アリガト。」


電話を切って、ポロリとそんな言葉が口に出た。




私がテンション落としたの、気付いてくれて、業と混ぜっ返してくれて。


高遠が、仕事とはいえ俺とのデートを反故にして呑むのかよ、とか一方的に罵るような男じゃなくて。


本当は私の為に仕事調整して時間作ってくれたんだって。





チクショウ。

これだからモテ男って罪だわ。


高遠のさりげない気遣いが一々キュンポイントに刺さってしまうじゃないのよ。






ヤバイ…

マジで明日、部長との仕事なんてブッチして、



…帰りた~い。


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