ツラの皮

イレブン





≪side高遠≫






割れんばかりの拍手が巻き起こった。


長い撮影が終わった―――クランクアップ。


祝福の中、スタッフから監督や役者に労いの花束が贈呈された。







「高遠。」



片付けに取りかかっていた俺はかけられた声に手を止め振り返った。




「お疲れ。」



この言葉だけは素直に、心から出た。


例え相手とどんな確執があろうとも、一緒に仕事を築いた同士として、それは俺の誠意だ。



「高遠もお疲れ様。」



そう言って俺にふわりと微笑んだ雪乃は、少しだけ寂しそうにしかし満足の混じる複雑な顔で現場に視線を向けた。



「…でもなんか少し寂しい。」




ああ、雪乃の気持ちは分かる。



長丁場のすっげー面倒くさい仕事だったけど、だからこそ余計に全力尽くした分、終わっちゃってぽっかり穴が開いたみたいな心持。

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