蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
コーヒーに含まれるカフェインには興奮作用があって意識を昂ぶらせるとか言うけど、少なくとも私にはそれは当てはまらないと思う。
だって、意識が昂ぶるどころか、遠のいていく気さえするから。
もっとも、それはカフェインの作用じゃなくて、課長のキスのせいかもしれないけど。
「……ぁ、か、ちょう……っ」
入り込んできた舌に、きつく閉じていた瞳を少しだけ開ける。
けど、半分だけの視界には課長以外のモノは何も映らなくて……しばらくそうした後、また目を閉じた。
抑えつけられている、全然痛くない手首。
それは、形だけの抵抗をしたい私には都合のいい、いいわけだった。
“この行為は、課長が無理やりしている事”
そんな風に、自分にも課長にも言い訳ができるから。
「ふ、…ぁ……んん」
本当にズルいのは。
私だ―――。