蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


これだけの人数でわいわいやったら、せっかくのお店の雰囲気も台無しなんじゃないかと苦笑いをしながら見ていると、人の波をかき分けて知ってる顔が出てきた。

「吉野!」
「あ、松浦も出席だったんだ」
「俺、飲み会基本的に全参加だから。
でも、吉野が来るなんて珍しいな」
「うん。たまには出ておかないとかなって」
「俺の隣空いてるからとりあえず鞄置いとけよ」
「あ、うん」

他の人と挨拶を交わしながら、松浦の隣の椅子に鞄を置く。

お店の壁にかかっている時計を確認すると、ちょうど19時半を指したところだった。
安部先輩に課長に一応声をかけた事を言うと、予約人数をひとり増やしておくけど期待はしてないとはっきり言われた。

私もそう思う。
課長は飲み会の席に顔を出す事は少ないって聞いてるし、自分メインの親睦会でさえ断るほどだから。









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