蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


『と、藤堂先輩……』
『あれ、俺の事知ってるの?
同じ学年じゃないよね。何年生?』
『あ、一年生、です……』
『なんの講義で使うの? この図鑑。
レポート?』
『いえ、あの、先生に本の整理を頼まれて、それで……』
『あ、それでか。残念。
恐竜とか、そんな講義が増えたんなら俺もとろうかと思ったのに』

くったくなく笑う藤堂先輩に、私もなんとか笑顔を作ろうとした。
けど緊張のせいでうまくできなくて。

そんな私を見た藤堂先輩がしゃがんで、目線を合わせて苦笑いする。

『今、俺の事バカだと思った?
本気じゃなくて、一瞬そう思っただけだよ』
『お、思ってません!
すみません……。男の人、ちょっと苦手で……』
『そうなの?』
『だから、バカだなんて、そんな事思ってませんから!
気を悪くさせちゃったらすみません……』



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