蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
『私、ずっと後悔してた。
距離がツラくなって、別れた事……』
その言葉を聞いた瞬間、時間が止まった。
あれは……。
あの女の人は……前の彼女さんだ。
『別れて、他の人と付き合ったりもした。
けど、悠介が忘れられなくて……っ』
悠介が、寂しさを募らせていた相手だ。
『私、大学卒業したらこっちに来るから……!
だから、またやり直したいの……』
悠介が……好きだった人。
ずっとずっと、好きだった人――……。
『悠介だって、距離がツラかっただけでしょ?
私の事、あんなに好きでいてくれたじゃない……。
お願いだから、やり直して――』
涙をポロポロ零した女の人が、手を伸ばす。
そして、ドアの影に消えた。