蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


『私、ずっと後悔してた。
距離がツラくなって、別れた事……』

その言葉を聞いた瞬間、時間が止まった。

あれは……。
あの女の人は……前の彼女さんだ。

『別れて、他の人と付き合ったりもした。
けど、悠介が忘れられなくて……っ』

悠介が、寂しさを募らせていた相手だ。

『私、大学卒業したらこっちに来るから……!
だから、またやり直したいの……』

悠介が……好きだった人。
ずっとずっと、好きだった人――……。

『悠介だって、距離がツラかっただけでしょ?
私の事、あんなに好きでいてくれたじゃない……。
お願いだから、やり直して――』

涙をポロポロ零した女の人が、手を伸ばす。
そして、ドアの影に消えた。






< 55 / 225 >

この作品をシェア

pagetop