蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「……野。吉野?」
「え、あ……」

書類を抱えたままぼーっとして立っていた後ろから、声をかけられる。

驚いて振り返ると課長がいて……。
お昼の事があるだけに、恥ずかしくなって目を逸らした。

「体調悪い? 何度も呼んだけど、気付いてなかっただろ」
「……すみません。ただぼーっとしてただけです。
何か用でしょうか」
「いや、他の社員もう課に戻ったから。
会議室の片付け、吉野の当番なんだろ?」
「あ、すみません。
今から片付けます」

今まで使っていた部屋に残るのは、それぞれの長テーブルに置かれた紙コップ。
片付けっていっても、紙コップを片付けてテーブルを拭くだけだから、そんなに大変な作業じゃない。



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