たとえ愛なんてなかったとしても
「まさかエリックたちがいるとは思わなかったよ。
びっくりしたけど、ふたりがいるなら楽しくなりそうだなー」



ああ、とか、そうだなと、軽くあしらっても、一人で楽しそうに話し続ける男。

俺たちのグループ、相反合と同時期にデビューしたMiracleのリーダーのヒョンス。


今回は台湾のテレビ局の企画で、だから台湾で人気のある若手グループの一人の、こいつがいても何もおかしくはないだろうが。

面倒なやつと一緒になってしまったな。
無人島について、早々気分が重くなる。


信頼させておいて、いつか陥れてやろうと、以前まではこいつの前でも営業用の顔をしていたけれど。

生みの親の裁判事件以降、全てに無気力で、それもどうでも良くなって、ヒョンスの前でも素に近い方で接している。


急に冷たい態度に変わったにもかかわらず、以前と同じように連絡もしてくるし、会えばこうして楽しそうに接してくるヒョンス。


あきれるくらいのバカなのか、それともとんでもなく心が広いのか。

どちらにしてもかかわりたくないことにはかわりないな、と一人でためいきをついた。
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