たとえ愛なんてなかったとしても
「まあまあ、そんなに興奮しないで。

そんなこと言って、彼女いても、可愛い女の子に誘われたら、俊輔くんも嬉しいでしょ?

実行にうつすかどうかは別として」


「そりゃまあ、嬉しいけど.......って俺に何を言わせたいんだ、お前は!何を!

......はあ、もういい。
お前と話してたら、頭痛くなってきた」



だめだ、もう俺ついていけない......。


浮気願望ぐらいはあるやつはたくさんいるだろうし、彼女にバレないように上手く遊んでるチャラ男は知り合いにも何人もいるけど。


英俊くらい大胆というか、ぶっ飛んでいると、逆に純粋なような気がしてくるから不思議だ。


どっちにしても、俺には理解できないけど。



「あはは、お酒の飲み過ぎー?
あっ、さっきから思ってたんだけどさー」



お前のせいだよ! お前の!


言ってやりたいことは山ほどあったけど、叫び過ぎて疲れたので。

話の途中で携帯をいじり出した英俊の言葉の続きを、黙って待つ。


明日のボイトレで俺の声が出なかったら、英俊のせいだからな。
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