たとえ愛なんてなかったとしても
「お好み焼きと焼きそばって、何が必要なの?」


「何だったかな......?」


「えー!しっかりしてよ!
何年日本で暮らしてるんだよ」



たしかお好み焼きと焼きそばを作るはずだったと思い出して、俊輔くんに材料を聞いてみても、まるで役に立たない。

本当に日本人なのか疑っちゃうよ。


後ろで苦笑いしてるカメラさんに何買えばいいのか聞いてみても、笑うだけで教えてくれないし。

何で僕たちを買い出し班にしたの?人選ミス?



「あ、たしか炎彬さんがお好み焼きに何とかいもを入れるから買ってきてって。
あとはお好み焼きの粉......?」


「あったよ!さといも!
いもなら何でもいいよね」



野菜コーナーを探してたら、さといもと書いてある立派ないもがあったので、かいものかごに入れる。


その次は小麦粉コーナーにいったけど、ここでも色んな種類の粉がある。



「薄力粉と強力粉とどっちだと思う?」


「僕に聞かれても知らないってば。
強い方でいいんじゃない?」


「そうだな、弱い方なんて買ってったら、みんなに怒られそうだし」



なんとか意見が一致して、名前の響きからして強そうな強力粉をかごの中に入れる。
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