たとえ愛なんてなかったとしても
見つからないように帽子を深くかぶって、マネージャーが迎えにきてくれると言っていたので、早足で空港の駐車場へと向かう。



「おかえり」



暗くなった駐車場にてっきりマネージャーがいるかと思えば、指定されていた場所にいたのは、なぜかエリックさんだった。


マネージャーはどうしたの、何でここにいるの、と聞きたいことは山ほどあったけど、無言で私のスーツケースを後部座席に乗せたエリックさんに。



「......ただいま」



そう一言返して、助手席に乗るだけで、私は精一杯で、なにひとつ聞けなかった。
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